MPHを海外の大学院でとることはメリットが大きのか、それともデメリットが大きいのかをオンラインの海外大学院の情報を中心に考えてみます。

キャリアを歩みつつ、海外大学院で学ぶ社会人大学院生。
23年10月〜LSHTM(MS Public Health in Distance Learning)に進学。元薬剤師。
関心は薬剤疫学。IELTS :OA6.5(23.2)
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これを読んでいただければ、少なくともオンラインの海外MPHについては一通り情報を網羅できるような情報量は盛り込んでいます。
海外のMPHの大学の状況
まず、MPHを取れる大学は世界にどの程度あるのでしょうか。
Shanghaiランキングによると、500校は少なくともありそうです。
US Newsのランキングだと750校ほどあるようです。
世界に視野を広げると選択肢はたくさんあるようです。
ちなみに世界ランキングを見てみると、


トップ20校のうち8校がアメリカ、6校がイギリス、残りその他の国です。
つまり、MPHはアメリカとイギリスがトップランナーとして走っている領域だと言えます。
海外でMPHの取得を目指すにあたり、大学の数だけを見るとアメリカとイギリスが主軸になるかなと考えています。
日本でのMPHを学べるようになったのは近年ですが、海外だともっと昔から提供されていたカリキュラムです。
正式に公衆衛生学のコースが提供され始めたのが、
1899年:ロンドン大学衛生熱帯医学大学院、
1913年:ハーバード大学公衆衛生大学院
1916年:ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院
などがあります。
ちなみに日本で初めて公衆衛生学が提供されたのが京都大学で2000年です。
逆に考えると、MPHというのは(MScを含めて)日本ではマイナーだとしても欧米では結構一般的な分野です。
MPHを取って海外でバリバリ働くぞ!なるのは難しいかもしれません、、、というより難しいです。
MPHは幅広く学べるメリットはあるものの、幅広さ故、専門性となると弱いと思います。
私もオンラインで学び授業を受ける中で、これは人生変わるぞ!みたいな授業は今のところないですし、淡々と学位を取得しにいく印象があります。
だた、これは日本でも同じである可能性は非常に感じています。
MPHの認知が低いため、これをどう料理していくかは自分次第な側面はあると思っています。
現在MPHでバリバリ活躍されている方は他の医療系の資格や学位との組み合わせ、実績がかなりある上に組織体制作りからバキバキにやった方々なのかなと考えています。
否定的な意見を書きました。
ただ、公衆衛生は社会の中でとても重要な分野である事は間違いありません。
ただ、日本ではまだまだ発展途上でMPHを輝かせるには各個人が目立っていく必要があります。
個人的にはMBAをよくわからない学校でとるよりも圧倒的に価値を作っていくMPHの方が魅力的だと思います。
加えて、WHOやCDC等はMPHがないと入れない国際機関があるのは事実です。国際的に働きたいなどの意向があれば英語を使いMPHを取得する事はかなり大きなチャンスになります。
ただ、日本ではまだまだ必須ではありません。厚生労働省の採用がMPH保持者限定などなれば、もっと認知が広がるのになと思っています。
海外でMPHを取るメリット

MPHを取る国によって異なりますが、MPHで世界トップ150の大学のほとんどは海外の大学です。
もちろんランキングが全てではありませんので、自分にあった環境を選ぶべきだと思います。
正直な話海外大学院の現地留学は実際に留学している方のブログをチェックした方が早いですし、正確です。
この下にオンラインMPHに関しては書きますので、オンラインに関心がある方は要チェックです。
内容もしっかりしていて大変わかりやすくまとめられていて、海外の大学院でMPHを取るというのはこういった雰囲気なのかととてもワクワクさせていただけました。
オンラインMPH

オンラインに関してはここでは一般的な内容になります。
次のページで私の体験記を含めて色々書きたいたいと思います。
ただ、オンラインでMPHを取得するのが始まったのはコロナのせいではないようです。
私が今いるLSHTMは30年前から提供しています。
ただ、オンラインのMPHが色々な大学で始まったのはコロナの影響は少なからずあると思います。
最近の状況だと、2024年からボストン大学でもオンラインのMPHコースが始まりました。
2-3年で$24,000と知った時は、正直アメリカでこの金額だとかなり大きいなと正直に思いました。
オンラインMPHのメリット
世界の最先端の環境で学べる
1番のメリットは学費を抑えて海外の最先端の大学で学べることです。
どう考えてもMPHは海外の方が知名度も実績も先を行っています。
そのため、その教育を日本から学べることは大きいメリットです。
特に、世界の状況を見てPublic Healthがどのような状況か、解決できていない問題がどれだけあるかなど視野を一気に世界に広げることができます。
母子保健など、日本の公衆衛生が世界と比べて優れているかを実感するタイミングでもあります。
場所を選ばない
ネット環境さえあればどこからでも学べます。
大学までのアクセス等を考える必要もなく、学びたい時にチャレンジできるのは大変ありがたいことです。
仕事を辞めずに学ぶことが可能
実体験としても生活環境を変えずに済むのは大変大きいです。
特に家族がいると仕事はどうする?お金はどうする?学校は?などたくさん考えなくてはならない点が出てきます。
その悩みがないことは家族と進学について話をする時に、お互い大きなストレスなく話を進めるのに大変助かりました。
もちろん、時間のやりくりは大変ですが、現在の環境で生活しながら大学院で勉強できるのは大変大きいです。
余談ですが、2024年以降に学生ビザの家族同伴は不可になりました。
ただ、現状大学院は現状通り問題ないようです。これが発表された時はSNSがざわつきました。
学費が安く済む
イギリスに行ったとして、現地で大学院に通うとたとえ1年でも700万円くらいかかるようです。
一方で、オンラインだと学費のみです。
2023年以降の円安で大変苦しい思いをしていますが、現地留学の半分以下で抑えられるのは大変お財布にも助かります。
加えて、アメリカの現地で学ぶとなるともっとかかります。
ジョンズホプキンス大学だと学費だけで$80,000。これに生活費やらその他諸々です。
アメリカの大学は特に奨学金が必須ですが、それと比べるとオンラインの安さはありがたいです。
最大5年かけて学ぶことも可能(大学による)
マイペースで勉強できるのもメリットです。
大学に入るまではどのレベルでレポートがあるか、どこまで自分がついていけるかわかりません。
自分の納得のいく形で卒業するためにも、調節しながら勉強できるのは大変大きいです。
実際に私と同じタイミングで入学した方のうち2人は、生活に合わせて2年ではなくじっくり学ぶことを入学後少し経ったタイミングで決めていました。
ただ、これは大学のカリキュラムによりますので、必ず確認してから入学してください。
あと、後回しにしすぎると後が地獄なので注意です。
ビザがいらない
ビザの申請が必要ないのは入学前に楽です。
加えて、英語のスコアも入学ギリギリまで期限が延びます。
現地入学だとビザ申請時までに英語のスコアが必要ですが、オンラインだと結果を送ればいいだけなのでギリギリまで粘れます。
2〜3ヶ月程度の差ですが、英語のスコアメイクに苦しむ方に取れば大きいです。
色々な国の学生がいる
正直、接する機会はほとんどありません。
生徒がアクセスできる質問コーナーや自己紹介のページを見ると、本当に世界各地から入学しているのだなと実感します。
有名な大学ほど箔が付く
これも大きいメリットです。オンラインであってもその大学院の卒業生であることは間違いありません。
オンラインMPHのデメリット
放置プレイ
基本的に放置です。
少なくとも私の通っているLSHTMはチューターがついてフォローしてもらって、なんて環境ではありません。
修論には流石にsupervisorが付きますが、何かあれば学生用のアドレスにメールをして待ちです。
しかも、たいていは無理と返ってくるためほぼ期待できません。
こちらは必要なものは提供しているから、あとはあなた次第です。はい、頑張って。が基本的なスタイルです。
時差
授業が日本時間で朝3時からあることもあります。こればかりはどうやっても解決できません。
ただ、授業の参加は任意で録画が見ることができるなど配慮はあります。
授業に出ず録画チェックだけになると本当に孤独な戦いが続きます。
時間の管理が大変
仕事をしつつ、家庭のことをやりつつ、子供と遊びながら勉強しなくてはなりません。
少しでも多く勉強する時間を作り出さなくてはなりません。
朝活したり、電車移動は全て勉強、休憩時間も勉強をしてでも勉強時間の確保が必要です。
しかも全て英語になるので慣れるまで大変です。空いた時間は全て勉強するくらいの勢いでないと乗り切れません。
大学により最低2〜3年と期間が異なる
MPHのイギリスに限って言えば、現地に行けば1年で修了できます。
オンラインだと2年が基本でGlasgowは2.5年、Edinburghだと3年が最低になります。
このような細かい差はありますので、じっくり調べた上で進学する必要が出てきます。
英語力は落ちやすい(日常で英語を使う方は当てはまりません)
仕事で普段から英語を使用している方には関係ないですが、仕事で日本語し火使わない環境だとどうしてもスピーキングの力が落ちます。
リーティングとリスニングは普段から使いますし、ライティングはレポート等で嫌でも使います。
スピーキングに関してはなかなか使う機会がないこともあるので、対策は必要です。
ただ、これに限っては他の大学のオンラインコースの方とやりとりする中でスピーキングも使う機会もあるようなので大学次第かもしれません。
学生同士で助け合う環境は得にくい
これも人によるかもしれません。
日本人の学生を探してLINEグループを作ってみたりもしましたが、もっと有効に使えたかもしれないなと反省しています。
WhatsApp等のアプリでグループができていたので、早めに入って情報収集してもよかったなと思います。
色々と通知が多いのがとてもストレスでした、、、(入学1ヶ月で全て通知は切りました)
他国の生徒と接することがほとんどない
オリエンテーションの頃に他の学生と話す機会はありました。
ただ、他は一切なかったです。
色々な国から生徒が来ている中でコミュニケーションをとる機会がないのは残念だなと感じています。
いろいろ書きましたが、私のいる大学はwell-beingやdisabilityなど色々なフォローがありいつでも相談可能です。
LGBTへの配慮もあり、世界の基準はこのレベルなのだなと実感しました。
多様性等配慮すべきことはちゃんと考慮しているのだなと感じています。
少し視点をずらして大学側の立場からオンラインの大学院に関して考えてみます。
オンライン海外大学院の大学側のメリット(推測)
「マイペースに勉強できる」は大学にとってもメリットがあります。
これはあくまでも推測ですが、オンラインの方が受かりやすいです。
理由をいくつか考えてみると、「キャパシティ」「教員」「提供方法」から、オンラインは現地ほど選考が厳しくない、つまりお客様扱いが強いと考えています。
2年で200~400万円ほどを払ってくれるお客さんなので、多いに越したことはありません。
キャパシティの側面
現地通学の学生を入れるかどうかはキャパシティの問題ですが、これは純粋に箱大きさの問題です。
図書館等の勉強場所、寮の人数等制限がどうしても出てきます。
オンラインはぶっちゃけネット環境さえあれば場所は自分で探して勉強する形式なので、大学側はテキストと実際に行った授業を録画して終わりです。
加えて、質問も掲示板に貼ることで同じ質問を何度も聞かれるリスクも減ってきます。
教員の側面
かなりの数の教員がいることは理解していますが、生徒数の上限を決める1つの要因は教員数かなと思います。
1人で担当できる学生数に限りがあるので、教員数次第で学生数が変わります(これは現地でも同じ)。
ちなみに他の生徒がある教科で個別に教員と連絡したい(なぜ聞いたかは不明)けど、可能なのかと聞くと、学生専用の質問のメールアドレスに連絡してと言われていました。
学生と教員の余計なやりとりを減らし教員の負担をとっているのだと思います。
提供方法
上にも書きましたが、正直同じテキストと同じ授業を大学のページにアップしてしまえば終わりです。
見るか見ないかは本人次第で大学はどちらでもいい。
最短で終わっても、長くじっくり勉強しても本人の勝手で大学側は何でもいいですよ、がオンラインです。
現地よりもお客様要素は強いです。
そのため、学生数さえ増えれば大学側も収入も増え、現地の学生より学費が安くても収入源になります。
大学側にとってコスパがいいのがオンライン大学院です。
私が英語のスコアが足りないにも関わらずLSHTMに受かった理由の1つはこの側面があるなと感じています。
私が考えるオンライン海外大学院の最大のデメリット
学生側が「周りとのコネクションが作りにくい・作れない」のは大きなデメリットだと思っています。
日本の大学に通い研究室に入ると教授や教員や同僚とコネクションができます。
MPH取得後に日本で転職する、キャリアアップをするとなった時にコネクションがないのは正直一番痛いと考えています。
最後に
大袈裟に書くとMPHの学位を提供する大学側とそれを買いたい学生側の色が如実にでたのがオンラインでの学位取得です。
私はその事実があっても価値があると思い進学を決意しています。
以上海外大学院はどんな環境なのか、私が考えている海外大学院のメリットとデメリットを書きました。
これを読んでいただいて、かなり海外大学院いいじゃんという方は積極的に検討していくべきかなと思います。
確実に貴重な経験や学位になりますし、精神的にもタフになれます。
価値観や視野が一気に広がることでしょう。
そして、大学に通う側としてはメリットを最大化できるように大学の選択から環境にこだわっていくべきです。
日本でも同じですが、少しでもレベルの高い大学にいくべきだと考えています。そのくらい学ぶ環境は大きな因子です。
海外大学院やオンラインの海外大学院は積極的に選択肢に入れてもいいのかなと思っています。特にオンラインは知っているかどうかで選択肢の幅が変わるので情報だけはしっかり持っておきましょう。
ばびろにあ

